分圧回路の計算

入力電圧と2本の抵抗 R1・R2 を入れると、分圧回路の出力電圧を計算します。負荷抵抗をつないだときに電圧がどれだけ下がるか、抵抗に流れる電流と消費電力も確かめられます。

回路

結果

出力電圧(無負荷)
–
分圧比 R2/(R1+R2)
–
出力電圧(負荷あり)
–
電流
–
R1 の消費電力
–
R2 の消費電力
–
出力側の抵抗 R1∥R2
–

電流と消費電力は無負荷のときの値です。負荷抵抗を 0 にすると、負荷をつながない場合だけを計算します。

分圧の式の導き方

R1とR2を直列にして入力電圧Vinをかけると、両方に同じ電流I = Vin/(R1 + R2)が流れます。出力はR2の両端の電圧なので、Vout = I·R2 = Vin·R2/(R1 + R2)です。R2/(R1 + R2)を分圧比と呼びます。既定値のVin = 5 V、R1 = R2 = 10 kΩでは、分圧比は0.5で出力は2.5 V、電流は5 V ÷ 20 kΩ = 250 µAです。各抵抗の消費電力はI²Rで、それぞれ625 µWになります。この式は、出力から電流を取り出さない(無負荷の)ときに成り立ちます。

負荷の影響と出力側の抵抗

出力に負荷RLをつなぐと、R2とRLが並列になり、出力電圧は下がります。出力側から見ると、分圧回路は電圧Vin·R2/(R1 + R2)の電源に、R1とR2の並列(R1∥R2)の抵抗が直列についたもの(テブナンの等価回路)とみなせます。既定値では、出力側の抵抗は5 kΩです。ここにRL = 10 kΩをつなぐと出力は約1.67 V、RL = 100 kΩなら約2.38 Vになります。低下を1%以内に抑えるには、RLを出力側の抵抗の99倍以上にする必要があります。

抵抗値の選び方

出力電圧は抵抗の比で決まりますが、抵抗の大きさの選び方にはトレードオフがあります。抵抗を小さくすると負荷の影響を受けにくくなる一方、電流と消費電力が増えます。たとえば5 Vで1 kΩ + 1 kΩにすると電流は2.5 mA、100 kΩ + 100 kΩでは25 µAですが、後者は出力側の抵抗が50 kΩになり、負荷やリーク電流の影響を受けやすくなります。電池で動く機器では大きめ、負荷の重い場合は小さめの値を選ぶのが一般的です。抵抗の許容差も出力電圧の誤差になるため、精度が必要なら許容差の小さい抵抗を使います。

使いどころと向かない用途

分圧回路は、ADCの入力範囲に合わせて電圧を下げる、トランジスタやオペアンプにバイアス電圧を与える、基準電圧から比較用の電圧を作る、といった、ほとんど電流を取り出さない用途に向いています。たとえばR1 = 20 kΩ、R2 = 10 kΩなら分圧比は1/3で、9 Vを3 Vにして測れます。ADCによっては信号源インピーダンスの上限がデータシートに示されているので、出力側の抵抗をそれ以下にするか、バッファやコンデンサを追加します。一方、モーターやマイコンなど電流が変わる負荷に電源を供給するには向かず、レギュレータを使います。

アナログ・電子回路の問題を解く

よくある質問

分圧回路の抵抗値はどう選べばよいですか?

まず必要な分圧比からR1とR2の比を決め、次に抵抗の大きさを決めます。出力側の抵抗R1∥R2が負荷(ADCの入力など)の抵抗より十分小さくなるようにし、そのうえで電流と消費電力が許容できる範囲に収めます。数kΩ〜数百kΩの範囲から選ぶことが多く、ADCにつなぐ場合はデータシートの信号源インピーダンスの条件も確かめます。

負荷をつなぐと出力電圧が下がるのはなぜですか?

負荷RLがR2と並列につながり、下側の合成抵抗がR2より小さくなるためです。言い換えると、分圧回路には出力側の抵抗R1∥R2があり、負荷電流が流れるとそこで電圧が下がります。既定値(出力側の抵抗5 kΩ)にRL = 10 kΩをつなぐと、出力は2.5 Vから約1.67 Vまで下がります。

分圧回路とレギュレータの違いは何ですか?

分圧回路の出力電圧は、入力電圧の変化や負荷電流によって変わり、負荷がなくても抵抗に電流が流れ続けます。レギュレータは帰還によって、入力電圧や負荷電流が変わっても出力電圧をほぼ一定に保ちます。電圧を測るために小さくするなら分圧回路、回路に電源を供給するならレギュレータを使うのが基本です。

関連する計算ツール

半導体・電子回路・情報の計算ツール →