無線通信の基礎
4G LTEの上りリンク(端末から基地局への送信)で、下りリンクのOFDMAではなく、SC-FDMA(DFT拡散OFDM)が採用された主な理由として、最も適切なものはどれか。
- A基地局の受信機で、マルチパスによる遅延を補正する処理が不要になるため
- B送信信号のピーク電力と平均電力の比(PAPR)が小さく、端末の電力増幅器を効率よく動かせるため
- Cサブキャリアの数を増やさずに、OFDMAより広い帯域幅を使えるため
答えと解説を見る
正解:B. 送信信号のピーク電力と平均電力の比(PAPR)が小さく、端末の電力増幅器を効率よく動かせるため
OFDMの信号は多数のサブキャリアの和なので、ときどき平均よりはるかに大きなピークが現れ、PAPRが大きくなります。PAPRが大きいと、電力増幅器(PA)をひずませないように出力を下げて使う必要があり、電力の効率が下がって電池の持ちが悪くなります。SC-FDMAは、データを離散フーリエ変換(DFT)してからサブキャリアに載せることで、シングルキャリアに近い、PAPRの小さい信号にする方式です。5G NRの上りリンクでは、CP-OFDMとDFT拡散OFDMを状況に応じて使い分けられます。
- A. SC-FDMAでもCPを付け、受信側で周波数の領域での等化を行います。マルチパスの補正が不要になるわけではありません。
- B. 正しい。PAPRが小さいので、端末のPAの効率を上げられます。
- C. 使える帯域幅は割り当てるサブキャリアの数で決まり、SC-FDMAで広くなるわけではありません。