FIPS 140-3とは

ふぃっぷすひゃくよんじゅうのさん

米国のNISTが定める、暗号モジュールのセキュリティの要件と認証の基準。国際規格ISO/IEC 19790をもとにしており、FIPS 140-2の後継として2020年に認証の受け付けが始まった。暗号のアルゴリズムの実装、鍵の管理、自己テスト、物理的な安全性などを評価し、セキュリティレベル1〜4の段階がある。HSMやセキュリティチップの調達の条件としてよく使われる。

「FIPS 140-3」は、2分野の2問の練習問題に出てきます(ハードウェアセキュリティの最新動向, 暗号技術の基礎と応用など)。

この用語の分野: ハードウェアセキュリティの最新動向

4つのセキュリティレベル

レベル1は、承認された暗号のアルゴリズムを正しく実装していればよく、物理的には製品として普通の品質の部品であることが求められる程度です。レベル2では、開けた跡が残る封印やコーティングなどの改ざんの痕跡と、役割に基づく利用者の認証が加わります。レベル3では、開けたり探ったりしにくくし、検知したら鍵などの重要な値を消すことや、個人ごとの認証が求められます。レベル4では、外装のどこからの侵入も検知して直ちに値を消すことや、電圧や温度が範囲を外れたときの保護まで求められます。

何をどう評価するか

評価の対象は暗号モジュールで、ICのチップ、基板、装置の全体、ソフトウェアのライブラリなど、境界を決めたものが対象になります。認定を受けた試験所が、アルゴリズムの実装が正しい結果を出すかの試験、鍵の生成・保管・消去の方法、電源投入時などの自己テスト、物理的な対策などを調べ、NISTとカナダの機関による制度(CMVP)が認証します。FIPS 140-3では、上位のレベルで、電力や時間などから情報が漏れる非侵襲の攻撃への対策も扱われます。

ほかの認証との違い

FIPS 140-3は、暗号モジュールが決められた要件を満たすかを確かめる基準で、米国やカナダの政府機関の調達で求められることから、民間の製品でも広く使われています。コモンクライテリアは、製品ごとに守る機能をセキュリティターゲットで定め、評価の厳密さをEALで表す、より一般的な評価の枠組みです。ICカードのチップのように、両方の認証を受ける製品もあります。

FIPS 140-3の練習問題に挑戦

暗号モジュールの認証の基準であるFIPS 140-3のセキュリティレベル1〜4について、物理的な安全性の要求の説明として、正しいものはどれか。

  1. Aレベル1が最も厳しい要求で、数字が大きくなるほど要求は緩くなり、レベル4はソフトウェアだけでできた暗号モジュールのためのレベルである
  2. Bレベルは使える暗号の鍵の長さで決まり、レベル3はAES-192、レベル4はAES-256を使うことを意味し、物理的な安全性の要求は含まない
  3. Cレベル2は開けた跡が残ること、レベル3は開けにくくして検知したら鍵を消すこと、レベル4は外装全体での侵入の検知や電圧・温度の異常への対策まで求める
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正解:C. レベル2は開けた跡が残ること、レベル3は開けにくくして検知したら鍵を消すこと、レベル4は外装全体での侵入の検知や電圧・温度の異常への対策まで求める

FIPS 140-3は米国のNISTが定める暗号モジュールの基準で、国際規格ISO/IEC 19790をもとにしており、FIPS 140-2の後継として2020年に認証の受け付けが始まりました。レベル1では製品として普通の品質の部品であればよく、レベル2では開けた跡が残る封印やコーティング、レベル3では開けたり探ったりしにくくし、検知したら鍵などの重要な値を消すこと、レベル4では外装の全体で侵入を検知することや、電圧や温度が範囲を外れたときの保護が求められます。認証の対象は物理的な安全性だけでなく、暗号のアルゴリズムの正しい実装、鍵の管理、自己テストなどにも及びます。HSMやセキュリティチップを調達する条件として、レベルの指定がよく使われます。

よくある質問

FIPS 140-2の認証を受けた製品は、今でも使えますか?

NISTの移行計画では、FIPS 140-2の認証は2026年9月21日にすべて過去(Historical)の一覧へ移すとされています。過去の一覧に移った製品も、すでにあるシステムで買い足して使うことは認められていますが、新しく調達するときは、FIPS 140-3の認証を受けているかを、その時点の一覧で確かめるのが確実です(2026年10月時点の情報)。

どのレベルを選べばよいですか?

守る鍵の価値と、置かれる環境で決めます。データセンターの鍵管理のように物理的な攻撃も想定するならレベル3が多く使われ、最上位の鍵や過酷な環境ではレベル4が選ばれることがあります。レベルが高いほど費用や制約も増えます。

解説の中の「FIPS 140-3」

「FIPS 140-3」が出てくる問題(2問)

  1. 暗号モジュールの認証の基準であるFIPS 140-3のセキュリティレベル1〜4について、物理的な安全性の要求の説明として、正しいものはどれか。
  2. HSM(ハードウェアセキュリティモジュール)の役割として、正しいものはどれか。

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